「慎ましく咲くヤマナシの花と高原の美。」
2007年4月からNHK連続テレビ小説「どんど晴れ」が放送されていましたが、
そのオープニングに出てくる「一本桜」に憧れていました。しかし岩手には気軽に行くことはできず、
ネットで調べていると長野県野辺山に、八ヶ岳をバックに道の真ん中で一本咲き誇る純白のヤマナシの木があることが分かり、
Mさんを誘って日帰り旅行をしてきました。
レンタサイクルなどが無かったため、11km ほど歩きました。良い運動になりました(^^)
早朝4:40の電車に乗って出発です。この時期には5時前でも十分明るいです。寝ぼけ半分で電車を待ちます。
上空は見事に晴れ渡ったので、放射冷却によって中央本線沿いの桂川の谷には朝霧が発生しています。
笹子トンネルを抜けて勝沼へ出ると、眼下に新緑の甲府盆地、そして遠くに冠雪した赤石山脈が見えて絶景に感動します(^^)
この日は霞の全くない快晴で、大当たりです!
甲府盆地を過ぎ、八ヶ岳から続く傾斜地帯である七里岩付近から見た、新緑の手前の山々と雪を戴く鳳凰山です。
このような険しい高山を間近で見たのは初めてだったので迫力に息をのみます。
長坂駅に停車中の電車から甲斐駒ヶ岳を写します。左側、摩利支天の断崖がカッコいい!(^^)
小淵沢駅で小海線に乗り換え、列車はディーゼルエンジンの音をうならせながら長い坂を登っていきます。
そして「JR鉄道最高地点」を通過です。ここは標高が 1375m あります。
野辺山駅に到着です。この駅は標高 1345m にあり、単純計算で下界より気温が8℃も低いんです!
もう5月中旬なのに、ここは東京の3月中旬ほどの気温ということになります。少し肌寒いそよ風と、
高原特有の強い陽光を感じながら目的のヤマナシの木を目指します。
途中のコンビニで日焼け止めを買いました。
樹間の陽だまりが美しいです。物語の1シーンみたいですね(^^)
八ヶ岳のアルペン的な山容に惚れ惚れします(^^) 私は九州出身なので、
雪の付いた高山を見るといつもワクワクしてしまいます。
上空は晴れていますが、八ヶ岳から次々に雲が生まれてきているようでした。
この道の先に目的のヤマナシの木はあります。
道の途中から振り返って八ヶ岳を撮影。ここにもヤマナシの木が一本立っています。高原の美しさに感動!
タンポポが至る所で満開です。やはりここの季節は早春なんですね。
そして、目的のヤマナシの木にやって来ました。この木は道の真ん中に立っています。道を作った時にこの木が立派で、
切られるのを免れたのでしょうね。
しかし、樹勢が弱々しくほとんど花が咲いていません。年々弱っていたようなので今年はこれが限界なのでしょうか。
布が包帯のように巻かれています。
反対側のアングルから。こちら側はまあまあ咲いています。後ろの山は男山です。
雲が広がり、八ヶ岳は隠れてしまって花もあまり咲いていなかったので、ちょっと残念に思いつつ、
この高原に来るきっかけをくれたヤマナシの木に感謝をして、次の目的地へ移動です。
時折、雲の中から八ヶ岳の主峰、赤岳が顔を覗かせます。カッコいい!
観光牧場の「滝沢牧場」にやって来ました。小さな子供を連れた家族連れが目立ちます。
ここでバーベキューの昼食です。牛乳も注文してワクワクしながら飲んでみると……、
意外とあっさり味です。こんなものなんでしょうか?
地元、大分の久住高原ジャージー牛乳なんかを飲んだことがあるので期待が高すぎたのでしょうか?(>_<)
まあ牛肉はおいしかったです(^^)
ポニーたちがのんびり草をはみます。
牧草地に寝転がると目の前に蒼天白雲。気温は低いのですが、地面近くは風もほとんど感じず、
ポカポカと暖かくてお昼寝休憩です(^-^)(_ _)zZ
牧場にもヤマナシの木が生えていました。
次は野辺山駅の方に戻って、「野辺山電波天文台」を目指します。
野辺山駅前の公園にもヤマナシの木が生えていました。やはり桜やリンゴの花によく似ていますね。
16時になってようやく八ヶ岳から雲が取れてきました。もう逆光になっています。
野辺山電波天文台にやって来ました。中央のアンテナはミリ波を観測する、なんと直径 45m の電波望遠鏡です。
土台の中には見学ルームがあります。
天文台隣の南牧村図書館です。小さな村なのに立派な図書館ですね。典型的な「箱モノ」です(>_<)
屋上に展望スペースがあるので登ってみます。
天文台の敷地が広く見渡せました。周りは平らに見えるのですが、八ヶ岳の広大な山裾なので高原が「上に凸」状になっており、
すぐそこが地平線で意外と遠望は効きません。
野辺山駅に戻る途中、狙っていたわけではなかったのに八ヶ岳の主峰、赤岳にちょうど日が沈む様子が見られる幸運がありました(^^)
後光で存在感が際立ちます。
このまま日が暮れるのを待って、満点の星空を眺めてから帰るはずだったのですが、日没と同時に八ヶ岳から急速に雲が広がってしまい、
頭上を覆ってしまいました。しかも日が落ちるとめちゃめちゃ寒い!星空はあきらめ、震えながら野辺山駅で帰りの列車に乗り込みます。
帰りの中央本線では、勝沼ぶどう郷駅で途中下車をして、甲府盆地の夜景を眺めました。甲府盆地は海から遠く水蒸気量が低いのと、
地形がすり鉢状であることから町の規模の割にとても美しい夜景が眺められます。
頭上には星も輝き、良い思い出の1ページとすることができました(^^)
終わり