旅行記録 2007年1月20日21日 神岡研究施設見学旅行

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神岡研究施設見学旅行 1日目(東京~上信越~富山)

神岡研究施設見学旅行 2日目(富山~神岡~安房峠~東京)

「地底 1000m の世界へ。」

 2007年冬学期にMさんから素粒子物理学基礎の授業に誘われました。Mさんは教育学専攻の文系なので、 なぜこの授業に惹かれたのか聞いたところ、「見学で地下 1000m に行ける!」ことが理由でした。 授業参加者で新宿から貸し切りバスに乗り、富山に一泊して岐阜県神岡鉱山跡地にある神岡研究施設に行って来ました。
 この旅では行きと帰りで違うコースをたどって 700km を移動し、上信越の美しい山々に初対面した感動によって、 私がただの地理好きから、現地調査と写真に目覚めるきっかけとなった旅でした。
 ※写真が趣味になる以前の旅行記録なので、お見苦しい点はご了承ください。m(_ _)m

行きはずっと高速を通り、富山で宿泊。帰りは飛騨山脈越えのルートでした。
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神岡研究施設見学旅行 1日目(東京~上信越~富山)


貸し切りバス


 13時半に新宿西口集合です。貸し切りバスが停めてある場所のプリントをよく見ていなかったため、 西口に着いてバスが見つかるかちょっと不安になりましたが、少し探して無事見つかりました(>_<)(^-^)
 乗り込んで、上信越経由で富山を目指します。


 群馬県の高崎を過ぎて上信越自動車道に入ると、左手に妙義山の奇岩が見えてきました。

バスの車窓から妙義山

バスの車窓から浅間山


 碓氷峠を通り過ぎ、軽井沢から佐久平に入ると右手に雪をかぶった雄大な浅間山が見えてきました。


 「山岳可視マップ」などを知らず、信州の景色も全く知らなかったこの頃、長野市がある善光寺平に入って「どこかに槍ヶ岳が見えるはず!」 と西方をあてもなく必死に凝視していたのが今思い出してみると笑えます(^^) この写真の左に写っている尖った山は高妻山です。

バスの車窓から高妻山、飯縄山

バスの車窓から妙高山


 善光寺平を過ぎ、標高が上がってくると路面が凍結しています。すると目の前に、 西日に輝く美しい大きな山がすごい迫力で飛び込んできます!越後富士、妙高山です。 この光景を一目見て、雪を戴き火口壁を襟のように上品に纏って、 なだらかな裾野を引くこの山のファンになってしまいました(^^) めっちゃカッコ良すぎです!

                    


 妙高サービスエリアから夕暮れの景色です。全く雪の無い東京からやって来ると別世界のようです。

妙高高原の夕暮れ

                    

富山駅前


 高速で親不知、子不知などを通り、富山市街にやって来ました。しかし、雪が全く無い!この年は異常に雪が少なく、 日本海側の1月下旬でこのような状況は非常に珍しいです。富山駅前で一旦解散となり、各自ホテルに向かいます。

神岡研究施設見学旅行 2日目(富山~神岡~安房峠~東京)


 朝食は15階のレストランでバイキングを頂きました。 もちろん目当ては窓の外に広がる立山連峰から昇る朝日の景色です(^^)
 3000m級の連峰がどのように見えるか想像できなかったので、 眼前に広がるものが山脈にかかる雲なのか、山脈自体なのか判断できません。

日の出前の立山連峰

立山連峰からの日の出


 いよいよ朝日が昇ってきました。あ~、やっぱりこれが雲じゃなくて山脈だったんだ!!! 想像以上に高く立ちはだかる立山連峰に興奮です(^^) 左端の山は名峰、劔岳です。


 富山駅前に集合し、再び貸し切りバスに乗って神岡へと移動です。写真は富山市中心部の路面電車です。

富山市内の路面電車

少雪の神岡


 神通川を横目に、山間部へと入って岐阜県神岡へとやって来ました。山間部だというのにこの少雪です。 本当に異常気象です。一方昨年の2006年は豪雪で、神岡研究施設への入り口が閉ざされてしまい、 非常口からトロッコで出入りしたとのことです。


 貸し切り観光バスはトンネルに入れないため、マイクロバスに乗り換えていざ研究施設の入口へ突入です!
 ところで皆さん、「地下 1000m なんてどうやって行くんだ?」って思いませんか?結構意外な行き方をします(^^)

神岡研究施設入口

神岡研究施設のトンネル


 まずはちょっと狭めの小奇麗なトンネルを進んでいきます。


 どんどん進んで行くと、トンネル面が荒くボコボコになってきました。ずっと真っ直ぐに進みます。

神岡研究施設のトンネル奥

地底 1000m


 そして地底 1000m の世界に到着しました!
 ……実は水平移動で来れちゃうんです(^^)
 つまり、この上に標高差 1000m の山があるんです!がっかりされた方、 「土かぶり 1000m のトンネル」 なんてなかなか無いんですよ~!
 坑道内の空気は外と変わらず新鮮です。理由は後述します。


 まずは「暗黒物質検出装置」の見学をします。一見すると普通の研究所と変わらないですね。 クリーンルームなので着替えて入室します。中には液体キセノンで満たされた銅製の大きな装置がありました。

暗黒物質検出器エリア

スーパーカミオカンデ上部


 そしてニュートリノ観測装置、「スーパーカミオカンデ」の見学です! 実際に観測中なので内部を覗くことはできません。観測中の装置の上を歩いても支障が無いのは、 ニュートリノが例え地球を100万ほど一直線に並べて打ち込んでも、すり抜けてしまうほど相互作用をしないためです。
 また天井や壁には観測の邪魔となる放射性ラドンから観測機を守るために塗料や銀幕が施されています。 地中からしみだしてくる微量の放射性ラドンを外に出すために常に換気しているので、坑道の空気は新鮮です。

(低画質動画)スーパーカミオカンデ上部の様子です。




 こちらは初代「カミオカンデ」です。規模は現行機の16分の1ですが、 東北大学によって反ニュートリノ検出装置「カムランド」に作り替えられました。

初代カミオカンデ

初代カミオカンデ上部


 カムランドの上部の様子です。「秘密基地」みたいですね(^^) 映画が撮れそう。


 こちらは「重力波検出器」です。100m×2 のL字型装置です。 理論的には 3km の基線長が必要だそうで、「これは予行演習で、おもちゃです。」と言っていたのには驚き。 おもちゃにいくら費用がかかっているのでしょう……。
 この区域には新鮮な風が届いておらず、強烈なカビ臭さと緑色の怪しげな壁の塗装が印象的でした(>_<)

重力波検出装置

サインだらけのドア


 こちらは小柴先生や海外の偉大な科学者たち、そしてその他総理大臣などがサインをしたドアです。 当初は「ノーベル賞受賞者だけがサインを書けるドア」になる予定だったそうですが、 文部科学大臣やら総理大臣やらが落書きをして現在の姿になりました(>_<)


 坑道から出て、神岡の町近くの道の駅で昼食です。鉱山町としての言わばゴールドラッシュから、 イタイイタイ病の原因となり、廃坑とともに衰退し、 現在は世界最先端の物理研究所を抱えるという数奇な土地です。

神岡の町

奥飛騨の雪景色


 帰りは奥飛騨を通り、安房峠道路で飛騨山脈越えをして松本へと下ります。先ほどの圧倒的な最先端観測装置の興奮冷めやらず、 またもや雪景色で興奮です(^^)


 諏訪湖サービスエリアから夕暮れの諏訪湖です。17時ですっかり暗くなってきました。

夕暮れの諏訪湖

諏訪から八ヶ岳


 八ヶ岳も顔を覗かせています。
 中部地方の素晴らしい山々や雪景色、大迫力の観測装置にとても満足した旅となりました。関係者の皆様に感謝!

 終わり


終わり



神岡研究施設見学旅行 1日目(東京~上信越~富山)

神岡研究施設見学旅行 2日目(富山~神岡~安房峠~東京)


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